2017年09月29日

今週の注目感染症 平成29年・38週(9月18日~9月24日)


■ コメント
9 月 24 日から 30 日は「結核予防週間」です。
今年の標語は「それって、いつもの風邪ですか?」です。
結核は初期症状が風邪とよく似ているため、かかっていることに気づかず受診や診断が遅れる患者が多くみられます。
痰のからむ咳や微熱・身体のだるさが 2 週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
結核は適切な治療を受ければ治る病気です。

○ 結核は、「結核菌」という細菌により感染します。
結核を発病し、痰たんの中に結核菌が出ている患者さんが、咳やくしゃみをすることで、しぶきに含まれる結核菌が空気中に飛び散り、それを他の人が吸い込むことで感染します。

○ 結核における「感染」と「発病」。
・結核菌を吸い込んでも必ず感染するわけではありません。多くの場合、体の抵抗力により追い出されます。
また、感染しても、ほとんどの場合、免疫によって結核菌が封じ込められるため、一生発病しません。感染だけでは、人にうつす心配はありません。
・発病とは、感染した後、結核菌が活動し始めて菌が増え、肺などの体の組織を侵してゆくことです。感染者のうち、約1割が発病すると言われています。
また、発病者の8割は、感染してから2年以内に発病すると言われています。
・抵抗力が弱っている高齢者、過労、栄養不良等の方は、結核菌が活動しやすく、また、発病しやすいと考えられています。

○ それって、いつもの風邪ですか?
・結核の症状は風邪に似ているため、かかっていることに気付きにくい場合があります。
・高齢者の方は、体のだるさや微熱、急な体重減少の場合は結核の可能性があります。
このような症状があるときは、早めに医療機関を受診しましょう。
結核は、適切な治療を受けることで治る病気です。

○ 結核の予防について
・結核は、生活習慣の乱れや他の病気などのために免疫力が低下すると発病しやすくなると言われています。このため、普段から「睡眠を十分にとる」「適度に運動する」「バランスのとれた食事をする」などの健康的な生活を心がけましょう。
・抵抗力の弱い赤ちゃんは、結核に感染すると重症化しやすいため、生後5か月から8か月の間にBCGの予防接種を受けましょう。
・早期発見により、家族や職場等への感染を防ぐことが重要です。

【福岡県感染症情報センターより参照】
(平成29年9月29日更新)